スプリンガーフォーク、GUIDEヘッドライトとフロントスプリング交換編。

 

ヨンパチのデータベースにも書いてますが、48〜のフレームはウィッシュボーンと呼ばれています。鳥の胸骨に似ているからです。
スプリンガーモデル(特にビッグツイン)ではフレームとフォークがそれぞれ密接に関係しています。

これは、38ナックル。フレームのネックとフォークが同じ素直な角度です。これを『インライン・フォーク』といいます。


対して48パンになると、こんなに角度が違います。これを『オフセット・フォーク』といいます。46後期〜48(一部の49も)だけ、このタイプのスプリンガーです。


インライン・フォークを上から見ると、このように中央のステムシャフトと左右のフォークトップ部がまっすぐになります。in-line(一列)のゆえんです。


オフセット・フォークを上から見ると、中央のステムシャフトとズレが生じています。
offset(相殺、ズラシ)ということです。


・・・ではなぜ、こんな違いが出るのでしょう?


年代とともにまとめると、こうなります。

1937〜40 ・・・ 28°(45フレームも同様)

1941〜45 ・・・ 29°

1946〜48 ・・・ 30°(49スプリンガーモデルも同様)
(*46〜47はブルネック、48〜はウィッシュボーン・フレーム)

*41年、1200ccのFLモデルがリリース。タイヤが前後16インチに。

スプリンガーフォーク
●アイビーム ・・・ 1930〜39(45モデル)
●インラインフォーク ・・・ 1936OHV、37〜40全モデル、41〜46(中期)、57までの45モデル
●オフセットフォーク ・・・ 46後期〜48(49スプリンガー&サイドカー)

ここでの大きなトピックは1941年。
タイヤサイズが軽やかな18インチから大きな16インチになり、直進性を安定させるため、28°から29°へネック角度が変更になりました。
さらに、FLの登場によって高速化が進み、30°へ変更。しかし、こうなるとネックに素直な角度のインラインフォークだとネックが寝てしまい、車高が低くなり十分なバンク角が確保できなくなるという不具合が出てしまいました。

上の年表で見ると1946(初〜中期)ナックルだけ、30°ネックのインラインですね。
そこで、その1946年の間になんとフォークのほうを1°立たせて相殺するということをしたのです。
それが、オフセットフォーク。1946年後期から48まで続き、ビッグツインのスプリンガーはオフセットのまま終わりました。

・・・ここからはあくまで想像ですが、フレームの角度変更をしなかったのは、1946年のときにすでに次期新型エンジンのパンヘッド用のフレーム、ハイドリックフォークへの移項準備があったからではないかと思いました。パンヘッドエンジンの登場は翌々年の1948年。油圧フォークの登場は1949年。エンジンだけ先出し見切り発車の感も見受けられるので、興味深いです。
(スプリンガーはその40年後、EVOの時代に劇的に復活。)


41ナックル、ネックは29°。
通称スリーフィンガーで判別可能。


48パン、ネックは30°。
こっちは爪先で4本指が入ります。
フォーフィンガーってやつ。



・・・でも走っててオフセットの恩恵はあんまり感じないんだけど。



マンホールなどに乗るともう、がっこんがっこんハンドルが振れてしまうので、フロント周りを原点回帰でリフレッシュ。


抜いてみたのだけど、やはりアウタースプリングがこんなにヘタっていたのです。
(右は新品のリプロ)


純正は左巻き。リプロは右巻きです。

純正が見つかるまでリプロの新品に換えます。
皆さん、左巻きのNOSが出たら即買いですぞ。



岡山のtakaくん特製のSSTに助けられ、レッグを抜きました。壊しちゃってゴメンw でも助かったー!



しっかりグリスを抜いて、フロントレッグを取り付けます。




さて。

ついに買ってしまった


40年代後期(47、48)のアースがリベット留めのサイクルレイ。




ガイドの文字がほぼ見えないけどそんなのどうでもいいんです。
内部のリベット留めがシビれるんです。
・・・そもそも点くんだろか。


ちなみに配線ですが、スクリューの太いほうがハイビームです。