点火時期調整編。


 48パンの点火システムは、ナックルヘッドなどと同様、ポイント式で手動進角。オーナーが調整できるように作られた仕組みになっています。
まずは、フロントシリンダーのインテーク側プッシュロッドカバーを外します。このプッシュロッドが下がるとバルブが閉じ、フロントピストンの圧縮が始まります。このときに、カム山の小さい方が手前のセッティング側に来ているのを確認します。


クランクを回転させて調整をするので、キックを手で回しやすくするように前後のプラグを外します。


上死点について。

この丸い方が上死点マーク。


この線が、点火タイミングマーク。


これらマークですが1941〜54までのOHVフライホイールで見ると、このような位置になります。
I(アイ)マークは丸マーク、つまり上死点の手前35度に刻印してあります。これをBTDC(Before Top Dead Center)と言います。
マニュアルでは、2000rpm時にこの35度の位置に合わせるとあります。


点火タイミングですが、マニュアルの通り、1937〜54まではこの位置、Iマークが出てスグの少し早めのタイミングがベストです。


サイドバルブ、独立点火の後期パン、ショベルではこのBTDC35度に合わせます。


・・・ということで、48はこの位置にします。目安程度に。


1/2のレンチでアジャスターナットを緩めます。


上の位置で、カムの小さい山の頂点・最もポイントギャップ(コンタクトブレーカーの隙間)が広がる箇所にもって行きます。


ギャップが変わるとタイミングも変わってしまうので、これからタイミングを調整する前に、ここでまず最大ギャップを作ります。
0.018inがマニュアルの基準ですが、0.5mmが一番いいようです。自分も最も山に乗って開いたときを0.5mmに調整します。

ここで一応、フル進角(左グリップフルスロットル)にしておきます。


さて、点火タイミングの調整に入ります。スイッチをON、左グリップ(進角)をゆっくり進めていきます。


このとき、プラグを外してシリンダーにアースさせておきます。


もしくは、このように検電ドライバー(420円)をあてがってもいいです。
つつつ〜・・・と進角していきます。(デスビが反時計回りに回転していきます)
・・・するとチカッ!と光るタイミングがあります。もしくはアースさせたプラグがパチッとスパークした瞬間も同じタイミング(厳密には違うけど)です。


ちょうどココで光りました。ポイントの開き始めです。ヒールの切り欠きマークがぴたりと合っています。
この位置をフル進角に設定します。



フル進角=左グリップフルスロットル、となるワケですが、走りながら微調整をしたいので気持ち少し、左進角スロットル用ワイヤーを戻して締めます。これで進角のフルスロットルをすれば、フルに進む前に確実に先ほどの点火タイミングが来るし、乗り手のフィーリングで少し遅らせることが出来るからです。

最終微調整は走りながらしました。さらにベストと思える位置まで煮詰めます。バイクの状態もあるのでマニュアル通りで最高のセッティングと感じることは出来ないからです。